企業インタビュー

岩田精工株式会社へのインタビューを行いました

2024年12月04日 山城地域 : 八幡市

岩田精工株式会社
代表取締役社長 田中 正明様

1.事業概要

事業概要について教えてください。

当社は、金型を作ってプレス加工、パンチング加工、エキスパンドメタル加工までの一貫生産を行っている企業です。当社の得意なパンチング加工(穴を開ける加工)をした金型は、大手住宅設備・建材メーカーの水栓フィルターやスピーカーネット、リチウムイオン電池関連などに使用されています。その他、創業以来、国内でも数少ない分流器を製造し続けています。

研削加工の様子

金型も製造されているのですか。

そうです。一貫生産を行うことにより、コスト削減・納期短縮というメリットはもちろん、金型修理やメンテナンスなど、万が一の金型トラブルにおいても即座に対応することができます。金型は、お客様のご要望に応じて製造するオリジナルのため、種類はかなり多いです。

分流器とはどういうものですか。

分流器は、電流計に並列に接続し、流れる電流を分流させる抵抗器で、アナログメーターや交通インフラのメーターなどに使用されています。当社は、全国でも数少ない、分流器の製造メーカーで、オールハンドメイドで小型から大型まで、多種多様な分流器を製造しています。1個からの注文でも対応しており、特殊品も数多くの納入実績があります。

幅広く事業を実施されていますね。従業員も多いのでしょうか。

そうですね。最近は工場の空きスペースを活用し、絵画など全く別分野の組立の仕事も増やしています。従業員は現在17名いるのですが、事業が幅広いため、1人に2部署以上を経験してもらい、多能工化を進めています。また、私も現場に行き、現場の声を聞いてやりやすい、風通しの良い職場づくりに努めています。社長であれ、親しみやすく話しやすい人物であるように心掛けているので、服なども従業員同様、動きやすいものにしています。その他、京都府の就労・奨学金返済一体型支援事業を活用し、従業員に長く定着してもらえるようにしています。

貴社の強みは何ですか。

パンチング加工においては、クリアランスを0にして、バリを出さないことが重要なのですが、当社はその技術力・品質力に関して他社に負けない自信があります。ゼロクリアランスの金型を製造できる加工技術と、数千穴を一度に開けることが可能である高度な位置精度を当社独自の技術で実現しています。

2.京都府について

大阪府から京都府に移転された経緯について教えてください。

当社は昭和34年に大阪府で創業したのですが、周辺に住宅地が増え、工場が手狭になってきたと感じていました。そこで、広い土地を探し、交通アクセスの良い八幡市に移転することにしました。昭和43年に移転してから、今日に至るまでこの八幡市で事業を継続しています。

八幡市に立地して良かったことは何ですか。

交通アクセス(高速)が非常に便利なことはもちろん、工業の街である八幡市では、近隣企業との取引や付き合いがしやすい環境にあり、実際、当社でも近隣企業との取引があります。私は出身も八幡市で、生活環境が良く住みやすい八幡市が大好きなんです。常々、八幡市を勧めています(笑)

八幡市商工会工業部会長も務められていますね。

そうですね。10月に開催された「やわたフェスタ」では、工業部会員で企業を紹介するパネル展示を行いました。また、製造業の活性を目指して、東大阪市のものづくり企業の方々と、「ザ・クラフターズ」というチーム活動も行っています。ザ・クラフターズでは、企業の技術力を小さな車に乗せてレースをする、ミニ四駆大会などを開催しています。様々な活動で忙しいながらも、充実した日々を送っています。

3.これからの展望について

貴社のこれからの展望について教えてください。

小さな穴を無数にあけることができるパンチング加工や、一般的に難しいと言われています難削材の研磨加工など当社の強みを広げていき、仕事の獲得を目指していきたいと考えています。またそれとは対照的にはなりますが、今まで以上に全く別分野の仕事にもチャレンジしていき、仕事の幅、深みを持ったおもしろい会社作りをしていきたいと思っています。

4.京都府へ立地を検討している企業へのメッセージ

京都府へ立地を検討している企業へのメッセージをお願いします。

交通の便が良い、大都市である大阪府が近い、工業の街であるなど…事業をする上で、八幡市ほど良い場所はないと思っています。繰り返しになりますが、事業をするにも居住するにも、八幡市は本当におすすめです。